入院のお見舞いにプリザーブドグリーンと動物のフィギュアで自然の世界を再現したメルヘン3D

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無事是貴人(ぶじこれきにん)

残すところ約2週間で平成29年も終わろうとしております。年末が近づくにつれて、家庭の事や仕事の事など今年のうちに終わらせようと慌ただしくなり、ついついミスや事故を起こしてしまいます。そんな忙しい時こそ静と動をうまく日常生活に取り入れたいですね。

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私は以前京都にいた時に、東山にある来迎院と言うお寺でお茶をいただいた事があります。このお寺は大石家ゆかりの寺で、討ち入りの日の12月14日に合わせて赤穂藩士47士を偲んで茶会が開かれます。その時は高価な黒の楽茶碗でお茶を頂いて優雅な時を過ごしたのを憶えています。当時『茶席の禅語』という本を読んだのですが、その中に冬のこの時期になると思い出す禅語があります。

「無事是貴人」という有名な語です。

お茶人は歳末の茶事には必ずと言ってよいほど「無事」の軸を掛けます。これは「この一年なんの事故もなく、先ずは平穏無事に過ごす事が出来ました。」という、感謝と喜びを表しているわけです。

私たちが茶室で良く見かけるこの語は、『臨済録』に「無事是れ貴人、但だ造作すること莫れ、ただ是平常なり」とあるところから出ているのであります。禅語では、馳求(ちぐ)する心、すなわち外に求める心が無くなったところを「無事」と言います。「人は皆生まれながらに尊厳なる人格を持っているのに、悟りや安心を外に求めウロウうろたえ回っている。無事に徹し、外に向かっている心を自己の内に向けてみなさい、何も欠けていないよ。」というような意味です。

 

茶道には「茶禅一味」と言う語がありますが、正に茶道と禅は同じ物です。「無事」の掛け軸を見てこの一年を振り返り、今の自分に感謝しながらお茶をいただく事こそ至福のひと時です。

師走の何かと慌ただしい毎日。茶室で静かにお茶をいただく時を作りたいものです。