“暑さ・寒さもお彼岸まで”とよく言われます。この季節市内あちこちで秋をただよわせる金木犀や真っ赤な彼岸花が目に飛び込んできます。彼岸花は、「リコリス」「曼珠沙華」とも呼ばれているのを知っている人も多いようです。花が咲いた後に葉っぱが伸び、秋に咲いて春に枯れると言う通常の草花とは逆でその葉と花を一緒に見る事がない性質から「葉見ず花見ず」と呼ばれ、昔の人は死人花(しびとばな)や地獄花(じごくはな)などと呼ぶこともありました。これらは花色や花姿が炎を連想させることと、彼岸花のもつ毒によるものとされています。彼岸花の花は死や不吉なイメージの方が強いけれど一方ではその印象的な赤い花色から「情熱」「思うのはあなた一人」と言った花言葉も生まれて、彼岸花の赤い色は誘目色で人々の目をくぎづけにしています。彼岸花の球根は毒があります。地中に潜むモグラやネズミは、他の植物の根はかじっても、彼岸花の根はかじらないと言われています。
彼岸花の開花時期は、9月下旬あたりです。自生している原種は彼岸である秋分の日前後に開花しますが、品種改良によって最近では夏から秋の間に見頃の時期を迎えるものも出てきました。
彼岸花は乾燥状態が続いた後に大雨が降ると一斉に花が咲くという現象があります。これが雨後の彼岸花とも呼ばれるゆえんです。